【天体観測】初めての天体望遠鏡を購入〜“ファースト・ライト”記念
最初の認識
ルネ・デカルトの著作を読んで思索を深めるうちに、筆者は感覚世界の基本、すなわち「昼と夜」「光と闇」の存在に意識を向けるようになった。
デカルトの教え――「明証的に認識されるものから始めよ」――に従い、まず目に見える天体、すなわち太陽と月を観察対象とした。そして国立天文台のサイトを利用し、古代から知られる7つの惑星を確認する旅に出る。
水星・金星・火星・木星・土星。うち水星は太陽に近く観測が非常に困難で、あのコペルニクスさえも生涯一度も見ることがなかったという。
天動説と第8の天
古代人の宇宙論では、7つの惑星のさらに外側に「恒星天」と呼ばれる第8の天球がある。これは星座がひしめく領域であり、感覚によって確認できる宇宙の最果てでもある。
そして古代ヘルメス思想には「第8が第9を明らかにする」という神秘的な言葉がある。筆者はこの言葉に導かれるように星座を学び始め、小学生の自由研究以来となる星の観察に再び情熱を注ぎはじめた。
オリオン座と冬の大三角
2018年の夏は木星・土星・火星・金星が空に勢揃いしていたが、秋から冬にかけてその光景は一変し、「オリオン座」が夜空に現れた。
オリオンのベルト、ベテルギウス、リゲル。これらを起点に、シリウス、プロキオンと繋いで描かれる「冬の大三角形」は、初心者にとっても観測しやすい星座群だ。
ファースト・ライト
観察熱が高まる中、筆者はついに望遠鏡を購入。届いたその夜、人生初となる「ファースト・ライト」を火星で行った。
しかし三脚の低さや視界の制約など、初心者ならではの困難も多く、ピント調整も一苦労。8mm(75倍)レンズに替えてからは、ようやく火星の赤い輝きがレンズ中央に収まった。
火星の観測と驚き
火星は赤く光りながら、レンズ内を右から左へ流れていく。その姿はまるで芸術品のようで、まさに「一瞥で価格の元は取れた」と感じた。
天文学の古典――『アルマゲスト』『ユークリッド原論』『星界の報告』など――と比べれば、望遠鏡で直接見る体験は非常に生々しく、そして感動的であった。
まとめ:天文学と哲学の接点
古代人は空をただ眺めていたのではない。観測器具を用い、幾何学的計算によって秩序ある宇宙の構造を理解しようと試みた。
このような観測の精神が、古代の哲学・占星術・科学を支えていた。筆者もまた、感覚から理性へと、天体観測を通じて“思索の宇宙”へと足を踏み入れたのである。
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