哲学的偏見 デカルト『情念論』解説｜松果線・動物精気と心身論の核心に迫る
執筆の背景と書簡集ルネ・デカルト（1596–1650年）の肖像（フランス・バロックの画家フランス・ハルス作、1647年頃）。近代哲学の基礎を築いたデカルトは晩年に『情念論』を著した。本書の執筆背景には、デカルト自身とボヘミアのエリザベート王...
2025-05
哲学的偏見 
哲学的偏見 【デカルト『気象学』解説】自然哲学と雪の結晶・光・空気の科学
ルネ・デカルトの『気象学』の構成と主張1637年に出版されたデカルト『方法序説』には、付随する三つの随筆として『光学（La Dioptrique）』『気象学（Les Météores）』『幾何学（La Géométrie）』が含まれるgal...
哲学的偏見 【デカルト『屈折光学』解説】視覚・理性・幾何学を結ぶ光学思想の革新とその哲学的意義
ルネ・デカルト『屈折光学』の構成と意義序論『屈折光学（La Dioptrique）』は、ルネ・デカルト（1596–1650）が1637年に発表した『方法序説』付属の３論文（屈折光学、気象学、幾何学）の一つであるen.wikipedia.or...
哲学的偏見 【ルネ・デカルト『幾何学』解説】解析幾何学の起源とその革新性を論文調で徹底紹介
ルネ・デカルト『幾何学』（1637年）の革新性と難解さ序論：位置づけと注意点ルネ・デカルトの『幾何学』は、1637年に『方法序説』の付録として発表された数学書である。17世紀数学の「大ルネサンス」を代表する著作と評され、ユークリッドやアポロ...
疑似学術地帯 【ポリフィルス狂恋夢】ヒュプネロトマキア・ポリフィリ全図版レビュー：象徴と夢想のルネサンス奇書を読む
『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』 — ルネサンス幻想文学の象徴世界日本での紹介と翻訳の軌跡原著刊行が1499年に遡る本書は、澁澤龍彦が『ポリフィルス狂恋夢』の名で紹介して以降も長らく日本語訳が存在しなかったbook.asahi.com。...
疑似学術地帯 空海と密教の象徴儀礼：金剛杵・手印・真言・修験道の哲学的考察
空海の密教思想と三密加持平安前期に中国（唐）より真言密教をもたらした弘法大師空海（７７４－８３５）は、その思想の中核に「即身成仏（そくしんじょうぶつ）」を据えた。すなわち、「現在の自分の身体」で速やかに悟りを得ることが可能であると説いたので...
疑似学術地帯 金剛杵・手印・真言・修験道――密教と日本の霊的実践の交差点
金剛杵・手印・真言・修験道――密教と日本の霊的実践の交差点導入――密教的象徴世界の核心へ仏教には、単なる思想体系ではなく、「実践」を通じて宇宙の真理と一体化する道がある。その極北とも言えるのが密教である。手に握る金剛杵、結ばれる手印、唱えら...
疑似学術地帯 『トマスによる福音書』とグノーシス思想の核心を読む
荒井献訳『トマスによる福音書』の学術的意味ナグ・ハマディ写本の発見と翻訳者の位置づけ1945年エジプトで発見されたナグ・ハマディ文書には、114章からなるイエスの語録集『トマスによる福音書』が含まれていたja.wikipedia.org。こ...
哲学的偏見 『チベットの死者の書』と欲望による解脱の思想
『チベットの死者の書』の宗教思想的分析成り立ちと伝播『チベットの死者の書』（チベット語原題 Bar do thos grol chen mo）は、ニンマ派（古派密教）の経典に分類される埋蔵教典（テルマ）である。伝承によれば、インド密教の大成...
哲学的偏見 アウグスティヌス『神の国』と悪魔祓いの神学的意味
アウグスティヌス『神の国』における悪魔祓いの記録再考はじめに：アウグスティヌスと古代キリスト教の悪魔祓いアウグスティヌス（聖アウグスティヌス、354–430）は、古代キリスト教を代表する神学者・哲学者であり、その著作『神の国（De Civi...