2019-05

哲学

【プラトン】「ティマイオス」再読・感想〜プラトン全集(岩波書店)より

この地上で最も魅力ある書物「ティマイオス」。古来様々な名著で引用され多くの偉大な学者・智者に強い影響を与えた。この本は呪文の一種である;読むと強烈なインパクトが魂に刻印される。それはおそらくプラトンがエジプトを訪れており、その地の魔術的象形...
哲学

【アリストテレス】「自然学」紹介〜”動くものはすべて動かすものによって動かされる”

場所と時間”動くものはすべて動かすものによって動かされる”という極単純な理屈;そして”動かされるものはすべて場所および時間の中で動かされる”という自明の真理。”運動”すなわち生成・消滅・増大・減少・移動に分けられる変化。そして運動には常に”...
哲学

【ブッダ 悪魔との対話】「サンユッタニカーヤⅡ」〜ふたつのエピソード

これは前回記事からの続きである:岩波文庫「ブッダ 悪魔との対話」第1集第4篇第3章(五つの経)に、他のブッダの本には滅多にない興味深いエピソードがふたつあるので紹介しよう。●関連(前回記事)→【サンユッタ・ニカーヤⅡ】「ブッダ 悪魔との対話...
エッセー

【ユリイカ】マンディアルグ特集号(1992年9月)古書レビュー

雑誌”ユリイカ”現在も刊行され続けている雑誌”ユリイカ”はネットなどのなかった90年代初頭のイメージだと、やや前衛風を気取ったレベルの高い文芸誌といった感覚だった(今はどうなのか知らない)。当時詩人を目指していた私は”詩芸術”なる月刊誌によ...
哲学

【ルネ・デカルト】「気象学」紹介と感想〜デカルト著作集1(白水社)

デカルトの『方法序説』に付いている3つの論文のうちの一つ「気象学」の紹介と感想。●参考→【ルネ・デカルト】「屈折光学」紹介および感想〜デカルト著作集1(白水社)特徴「気象学」についてはあまり込み入って紹介するつもりはないがまずは特徴から;1...
音楽

EXTREME NOISE TERRORとは何者か?令和に聴きたいノイズ・グラインドコア入門

【EXTREME NOISE TERROR】令和の耳を震わせるグラインド・コア──騒音と調和の狭間でかつて「おすすめ洋楽選集」のような記事を月1で更新していたことがある。しかし、iTunes Affiliateのリンク作成は面倒で、成果もほ...
哲学

【サンユッタ・ニカーヤⅡ】「ブッダ 悪魔との対話」中村元訳・岩波文庫〜紹介と感想

内容岩波書店から出ている「ブッダ 悪魔との対話」は同じく岩波の「ブッダ 神々との対話」の続編。後者については前にレビューしたが、為になる尊師の教えが簡潔にまとめられている点が貴重な本。これに対して前者はどのような内容かというと;実は題名の先...
小説

【マルキ・ド・サド】「美徳の不幸」澁澤龍彦訳・新サド選集4より〜感想と紹介

新サド選集マルキ・ド・サドの澁澤龍彦訳「美徳の不幸」は人気で数多く出版されている。ここにあるのは桃源社から出た昭和40年11月20日初刷”新サド選集4”定価450円である。「サド公爵夫人」で知られる三島由紀夫が死ぬ5年前の本だが、氏も喜んで...
哲学

【ルネ・デカルト】「屈折光学」紹介および感想〜デカルト著作集1(白水社)

「方法序説」デカルトの有名な「方法序説」は当初それに続く論文の序文として発表されたことは皆さんご存知の通り。すなわち「屈折光学」「気象学」「幾何学」の3つが付いていた。「方法序説」はその後単体で広く読まれるようになった。原題は"DISCOU...
哲学

ソクラテスの「無知の知」と心の浄化|プラトン対話編から哲学的情欲論へ

【ソクラテスの弁明】無知の知と理性のかたち〜プラトン対話編より今回は少し肩の力を抜いた哲学エッセイです。静かに「理性」と「情欲」、そして「心」について考えてみたいと思います。 ;-)理性はどこまで導けるかヘルメス・トリスメギストスはこう語っ...