哲学的偏見

逆五芒星とは何か?バフォメットと反転された星の象徴を解説|神秘主義・秩序と混沌

序:なぜ“逆”は不気味なのか?教会の壁に刻まれた星、ブラックメタルのジャケット、あるいはオカルト映画の一場面──五芒星(ペンタグラム)を逆さにした「逆五芒星」は、しばしば悪魔的・禁忌的な象徴として登場する。だが、ただ「向きを変えただけ」で、...
哲学的偏見

ルシファーと光の堕天使|なぜ“明けの明星”なのか?名前の由来と象徴の意味を解説

序:堕天使は“闇”ではなく“光”だったルシファーという名は、しばしば“闇の象徴”と見なされる。だがその語源をたどれば、ラテン語で“光をもたらす者(Lux + ferre)”を意味する。しかもその姿は、旧約聖書のなかで「明けの明星(morni...
哲学的偏見

アザゼルの正体とは?旧約聖書と失われた神々を読み解く|堕天使・スケープゴート・神秘思想

序:アザゼルとは何者か?アザゼル(Azazel)という名は、旧約聖書『レビ記』第16章において突如として登場する。贖罪の日(ヨム・キプル)の儀式において、大祭司は二匹の山羊を用意する。一匹は主に捧げられ、もう一匹は「アザゼルのために」荒野へ...
小説の闘牛場

『ドリアン・グレイの肖像』レビュー|美と快楽の果てに堕ちる魂――ワイルド耽美文学の極北

『ドリアン・グレイの肖像』――美と快楽の果てに待つ魂の腐臭オスカー・ワイルドによる『ドリアン・グレイの肖像』(1890)は、表面上は「若さを失いたくない」という一つの願いから始まる物語だが、その奥に広がるのは、美の暴力、快楽の悪魔、そして倫...
小説の闘牛場

ビアズリー『美神の館』レビュー:象徴主義美学と退廃的芸術の頂点

ビアズリー『美神の館』レビュー:象徴主義の粋を極めた美学オスカー・ワイルドの『サロメ』の挿絵でも有名なアーサー・ラッカムの弟子として、オーブリー・ビアズリーは世紀末の象徴主義運動において、独自の地位を確立しました。その代表作の一つが、『美神...
小説の闘牛場

世紀末文学の美学と崩壊 ― オスカー・ワイルドからドストエフスキー、モーパッサンまでの退廃的美学

世紀末文学の美学と崩壊―オスカー・ワイルドからドストエフスキー、モーパッサンまで19世紀の終わり、いわゆる「世紀末」は、政治的・社会的変革の時代であり、その渦中にあった文学もまた深く変化していきました。オスカー・ワイルドの『サロメ』に見られ...
哲学的偏見

ヘルメス・トリスメギストスと二重の蛇|カドゥケウスの象徴と秘教的知の解読

蛇が二重に巻きつくのはなぜか?我々は時おり、奇妙な図像と出会う。杖に絡みつく二匹の蛇。上部には翼。時には球体。この象徴は「カドゥケウス」と呼ばれ、医療マークとして誤用されることも多いが、本来はヘルメス・トリスメギストスの持つ“知の杖”である...
哲学的偏見

ジョン・ディーとエリザベス朝の魔術—占星術と天使の啓示がもたらした政治的影響

ジョン・ディーとエリザベス朝の魔術—政治と文化を動かした神秘主義はじめにジョン・ディー(John Dee)は、16世紀エリザベス朝イギリスにおける最も神秘的かつ影響力のある人物の一人です。数学者、天文学者、占星術師、さらには魔術師としても知...
哲学的偏見

ケルヌンノスの角とは何か?森の神と古代ドルイドの知を解説|象徴・自然信仰・神秘思想

角ある神、森に立つ森の奥深く、静けさのなかにひそむ野生の神──それが、古代ケルト世界における「ケルヌンノス」である。彼はしばしば、鹿の角を生やした人間の姿で描かれる。その姿は、野生の霊性と人間の理性を併せ持つような、謎めいた均衡の象徴でもあ...
思考の化石

『完全ひとりビジネス』感想|AI時代に通用する?副業マニュアルの虚と実

『完全ひとりビジネスを始めるための本』を読んで──“副業マニュアル”の挫折と滑稽この本を読んだのは、仕事もなく、バイトに出れば腰を痛めて寝込むような日々だった。いわば「完全ひとりビジネス」という言葉にすがったひとりだった。タイトルの通り、「...