哲学的偏見

【太陽フレアと黙示録】“神の怒りの七つの杯”と“ユーフラテスの四人の御使い”とは何かCOVID-19というパンデミックを通じて、現代文明は目に見えぬ衝撃を受けた。しかし、これはまだ終わりではない。『ヨハネの黙示録』に記されたさらなる予兆──...

デカルト『哲学原理』第一部「人間認識の諸原理」考察1. 思惟と不死性──デカルトの出発点ルネ・デカルトの『哲学原理』第一部は、「我思う、ゆえに我あり（Cogito, ergo sum）」という命題を起点とし、人間の本質を「思惟するもの＝精神...

プラトン【パイドン】「魂の不死について」〜毒をあおぐ直前の対話・レビュー・考察・要約■ 要約：死と魂の本質を問う最後の対話プラトンの『パイドン』は、哲学者ソクラテスがアテナイ市民に訴えられて死刑を宣告され、毒杯を仰いで命を終える直前に弟子た...

アウグスティヌス『告白』下巻レビュー｜「記憶」と「時間」に挑んだ神学的哲学書古代キリスト教の教父アウグスティヌスが記した『告白』。その下巻は、上巻のような赤裸々な回想録とは趣を異にし、より哲学的・神学的な内容に傾いていきます。下巻の全体像｜...

アウグスティヌス『告白』上巻（岩波文庫）レビュー｜聖人の赤裸々な罪の告白と哲学的自伝作品概要と読みどころアウグスティヌス（354–430年）は古代キリスト教を代表する教父にして、後世に多大な影響を与えた哲学者・神学者です。『告白』（上巻）で...

マルクス・アウレーリウス【自省録】〜自分自身に問いかける哲人皇帝の言葉気高きローマ皇帝ローマ帝国第16代皇帝マルクス・アウレーリウス（在位161〜180年）は、強大な権力を握りながらも、暴君とはほど遠い生き方を選んだ。戦争と政務に忙殺されな...

【魔訶止観レビュー】天台智顗が開示した“心の宇宙”を読む｜止まり、観る、その哲理と実践一瞬の心に、世界がある──そんな壮大なヴィジョンが展開されるのが、隋代・天台大師智顗（ちぎ）の大作『魔訶止観』である。仏教における“止”とは心を静めること...

『神曲』天国篇は、地上世界を超えた霊的宇宙の構造を描き出します。この記事では、ダンテが描く天の階層を理解するために必要な背景──アリストテレスの自然学、天動説、古代から中世の宇宙観──を解説し、哲学と詩が交差する壮大なスケールの世界を読み解...

プラトン対話編レビューまとめ古代ギリシャの哲学者プラトン──彼の著作群は、思想・倫理・政治・宗教・数学に至るまで、ありとあらゆる西洋思想の源泉とされてきました。図書館に「プラトン全集」が蔵書されているか否か。それだけで、その図書館の哲学的水...

【異質的なもの】廃れた神々と、私たちの忘却形容詞──脳髄への注射この世には注射針を使う薬や、飲み下す薬があるが、最も劇的なものは目と耳から入る薬だ。なぜなら、それらは直接、脳に作用するからである。「神」や「神々」という単語も、とうの昔に役目...