小説の闘牛場 【エドガー・アラン・ポー】「アーサー・ゴードン・ピムの物語」徹底解説|漂流・反乱・人肉・幻の南極まで 「アーサー・ゴードン・ピムの物語」とはエドガー・アラン・ポーの『ナンタケット島出身アーサー・ゴードン・ピムの物語』は、数多くの短編で知られるポーにあって、ほとんど唯一といえる長編小説である。300ページ近くの分量がありながら、冗長さを感じさ... 2025.04.18 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【書評】三島由紀夫『沈める滝』―沈んでゆく愛、沈んでゆく風景 さて、今回も懲りずに三島由紀夫。そろそろ食傷気味だが、読んでない作品がまだ山ほどあるので、もうちょっと付き合ってみようと思う。今回は長編小説『沈める滝』について。御曹司の恋愛ポリシー主人公・昇は、某財閥の御曹司。金も地位も将来も約束された男... 2025.04.18 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【エドガー・アラン・ポー】短編『Hop-Frog(ちんば蛙)』あらすじと解説 ちんば蛙と鎖がれた八匹のオランウータン|エドガー・アラン・ポーの復讐譚エドガー・アラン・ポーの短編「Hop-Frog」は、異形の小人が仕掛ける鮮烈な復讐劇。タイトルの邦訳「ちんば蛙あるいは鎖がれた八匹のオランウータン」にも表れている通り、痛... 2025.04.16 小説の闘牛場
小説の闘牛場 魔が棲む谷で少年が見たもの——泉鏡花『龍潭譚』感想 泉鏡花『龍潭譚(りゅうたんだん)』感想:魔が棲む谷、子供のまぼろし明治29年発表の短編『龍潭譚』は、泉鏡花の幻想文学の中でも、比較的ストーリーがはっきりしていて読みやすい一編。澁澤龍彦が「初めて読んだ鏡花作品」として挙げたことでも知られてい... 2025.04.16 小説の闘牛場
小説の闘牛場 34年ぶりに読んだ『ベッドタイムアイズ』と、あの子の記憶 山田詠美なぜこの小説家の名前を知っているのか。今から34年ほど前、当時の女友達にこの本を貸し、その感想を聞いた記憶があるからだ。再読はそれ以来、34年ぶりということになる。感想も当時とはまったく違うだろう。いや、むしろ今回は何も感じなかった... 2025.04.16 小説の闘牛場
小説の闘牛場 50代で再読した『限りなく透明に近いブルー』──村上龍の初期傑作は今でも通用するのか 50代で再読した『限りなく透明に近いブルー』──村上龍の初期傑作は今でも通用するのか村上龍のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』を、数十年ぶりに再読しました。19歳のときに初めて読んで衝撃を受けたこの小説。50代になった今、当時とは違った... 2025.04.15 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【夏目漱石】『坊ちゃん』レビュー|荒くれ新米教師の奮闘と江戸っ子気質の痛快さ 【夏目漱石】『坊ちゃん』レビュー|荒くれ新米教師の奮闘と江戸っ子気質の痛快さ作品の概要夏目漱石の代表作の一つ『坊ちゃん』。新潮文庫版で180ページ弱、比較的短くサクッと読める作品だ。「長編でたっぷり味わいたい」という読者には、500ページ超... 2020.11.05 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【夏目漱石】『吾輩は猫である』感想・レビュー|無常観とユーモアの知的な共存 1. 作品概要|作家になろうとしなかった天才あらためて夏目漱石を読み返すと、その作品の深さと洒脱さに驚かされる。以前「漱石は偉くなろうとしなかった唯一の作家」と自分でも書いたことがあるが、その印象はいまだに揺るがない。たとえば、弟子の芥川龍... 2020.10.27 小説の闘牛場
小説の闘牛場 芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』レビュー|教訓と空虚の交差点 【芥川龍之介】『羅生門・鼻・芋粥』感想文|感想のみ、大人向けレビュー『羅生門』──“悪”と“無常”の演出日本文学を改めて読み返している中で、芥川龍之介の代表的短編集『羅生門・鼻・芋粥』(角川文庫)を手に取った。まずは『羅生門』から。高校の教... 2020.10.25 小説の闘牛場
小説の闘牛場 芥川龍之介『偸盗』感想・レビュー|盗賊と女の裏切り劇、月下のアクション 【芥川龍之介】『偸盗』感想・レビュー|迫真、大正時代のアクション小説!概要“アクション小説”と聞いて芥川龍之介を思い浮かべる人は少ないかもしれない。だがこの『偸盗(ちゅうとう)』には、まぎれもなくその要素がある。解説や学者の論評はひとまず脇... 2020.10.21 小説の闘牛場