2025-05

哲学的偏見

旧約聖書『出エジプト記』岩波文庫版を読む|燃える芝と海割り神話の深層

旧約聖書【出エジプト記】岩波文庫版を読む|燃える芝と“全能者”の神話的ドラマキリスト教の聖典・聖書を、宗教書ではなく「作品」あるいは「文献」として読む視点から、岩波文庫版の『出エジプト記』を紹介する。学術的に翻訳・注解された本シリーズは、宗...
哲学的偏見

旧約聖書『創世記』岩波文庫版を読む|モーゼ五書の詩的世界と哲学的問い

岩波文庫版『旧約聖書 創世記』論考岩波文庫版『創世記』(関根正雄訳)は、旧約聖書の冒頭を飾る「モーセ五書(トーラー)」の第1巻である『創世記』を、日本語で精緻に訳出したものである。本書『創世記』は、天地創造から人類の起源、祖祖たち(族長)物...
哲学的偏見

【ヨハネの黙示録】講談社学術文庫・小河陽訳を読む|終末と預言の象徴世界をやさしく解説

【ヨハネの黙示録】講談社学術文庫・小河陽訳を読む|世界の終わりを描いた預言書中世の幻視文学の極北──『ヨハネの黙示録』は、神秘体験・宗教的幻視(ヴィジョン)を語るテキストとして、文学史的にも「中世幻視文学」の典型とされます。これはダンテ『神...
哲学的偏見

【太陽フレアとヨハネ黙示録】“七つの杯”と“ユーフラテスの四人の御使い”は何を示すのか?

【太陽フレアと黙示録】“神の怒りの七つの杯”と“ユーフラテスの四人の御使い”とは何かCOVID-19というパンデミックを通じて、現代文明は目に見えぬ衝撃を受けた。しかし、これはまだ終わりではない。『ヨハネの黙示録』に記されたさらなる予兆──...
哲学的偏見

デカルト『哲学原理』を現代的に読む|思惟と非物体の本質

デカルト『哲学原理』第一部「人間認識の諸原理」考察1. 思惟と不死性──デカルトの出発点ルネ・デカルトの『哲学原理』第一部は、「我思う、ゆえに我あり(Cogito, ergo sum)」という命題を起点とし、人間の本質を「思惟するもの=精神...
小説の闘牛場

【マンディアルグ『小さな戦士』考察】見るだけの宝物と男の破滅的欲望

【マンディアルグ『小さな戦士』レビュー】見るだけの宝物と理性の崩壊アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの短編集『狼の太陽』(1951年)に収録された一篇「小さな戦士」(生田耕作訳)。この物語は、作者がたびたび扱うテーマ——事物の極端なスケ...
疑似学術地帯

チベットの死者の書とは?中有(バルドゥ)と解脱、密教の象徴マンダラをわかりやすく解説

チベット密教【チベットの死者の書】紹介〜60年代ヒッピー、ユングも注目した聖典■ バルドゥ(中有)とは何か?1993年、バブル崩壊後の日本で話題となった一冊の経典『原典訳 チベットの死者の書』(川崎信定訳)。本書は、チベット仏教において人が...
哲学的偏見

プラトン『パイドン』魂の不死とは?ソクラテス最後の対話をわかりやすく解説・要約

プラトン【パイドン】「魂の不死について」〜毒をあおぐ直前の対話・レビュー・考察・要約■ 要約:死と魂の本質を問う最後の対話プラトンの『パイドン』は、哲学者ソクラテスがアテナイ市民に訴えられて死刑を宣告され、毒杯を仰いで命を終える直前に弟子た...
評論詐欺

阿頼耶識(あらやしき)とは何か?唯識思想の「心王」と仏教的深層意識の探求

【阿頼耶識】(あらやしき)〜人間の第八の識、「心王」とは■ 阿頼耶識とは何か?阿頼耶識(あらやしき)は、唯識思想における八番目の識――いわば人間の最深部にある「心の倉庫」である。中村元ほか編『岩波仏教辞典』によれば、これは法相宗が展開した教...
プラ保存箱

【ピノキオ√964】爆音ノイズとゲロと私|幻のサイバーパンク映画と“バックレ”青春記

【ピノキオ√964】〜サイバーパンク×ゲロ×ノイズ映画の思い出1991年、中野武蔵野ホールで公開された福居ショウジン監督の『ピノキオ√964』。Wikipediaでは「ホラー映画」と分類されているが、実際にはノイズと映像が一体となった爆音M...