2025-05

哲学的偏見

アウグスティヌス『神の国』とダイモーン批判の神学

聖アウグスティヌス『神の国』第二巻におけるダイモーン概念の神学的批判序論聖アウグスティヌス(Aurelius Augustinus, 354–430)は、西ローマ帝国末期に活躍した教父であり、その著作『神の国(De civitate Dei...
疑似学術地帯

ソロモンの鍵を学術的に読み解く – 魔術思想とスピリットの実在

『ソロモンの鍵』学術レビュー:魔術思想と「スピリットの実在」を多角的に再解釈するはじめに『ソロモンの鍵』(Clavicula Salomonis)は、中世から伝わる著名な魔術書(グリモワール)であり、その著者は古代イスラエルの王ソロモンに擬...
疑似学術地帯

『第三エノク書』レビュー|メタトロンとユダヤ神秘思想

The Third Book of Enoch (Hebrew Enoch): Metatron’s Ascension and Mystical Symbolism Illustration: A modern symbolic rend...
疑似学術地帯

『第二エノク書』の黙示と知覚論──古代感覚と文明批判

『第二エノク書』に見る黙示と知覚──古代人の感覚世界と現代文明への洞察はじめに旧約聖書外典に属する**『第二エノク書』**(スラブ語エノクとも呼ばれる)を手に取ったとき、当初はその内容の平凡さに退屈さを覚えていた。実際、以前に読んだ『第一エ...
疑似学術地帯

【第一エノク書】聖書外典の黙示思想を読む|宗教思想・終末論・象徴主義の解釈

第一エノク書の批評的レビュー書誌と成立背景『第一エノク書』は、第二神殿期ユダヤ教の黙示的文書であり、旧約正典には含まれない外典・偽書に属するen.wikipedia.org。伝承上は創世記の七代目の人物エノク(アダムから七代目)の著作とされ...
疑似学術地帯

【Book of Jasher】英訳版レビュー|聖書外典の中の伝承と宗教思想の交差点

英訳『ヤシャル書』の歴史的位置と宗教的・学術的考察書物の由来と基本情報(英訳と現代的入手性)『ヤシャル書』(Sefer ha-Yashar, 「正しい者の書」の意sacred-texts.com)は、旧約聖書で言及される失われた古代文書にち...
疑似学術地帯

【ポリフィルス狂恋夢】英語版レビューと象徴の迷宮|夢・エロス・芸術の総合書物を読む

『ポリフィルス狂恋夢』英訳版レビュー書誌と初読印象『ポリフィルス狂恋夢(Hypnerotomachia Poliphili)』は、1499年ヴェネツィアで刊行されたフランチェスコ・コロンナ作の奇書であるfpba.com。その全篇英訳が初めて...
疑似学術地帯

【ヘルメス文書】Tarl Warwick版レビュー|翻訳の問題点と神秘思想の本質を解説

タール・ワーウィック版『コーパス・ヘルメティクム』の批判的レビューと思想解釈1. 書籍情報と翻訳に対する批判的評価タール・ワーウィックによる英訳版『コーパス・ヘルメティクム』(副題『ディヴァイン・ピマンデル』)は、2015年頃に自主出版され...
評論詐欺

 【飛梅伝説】菅原道真とともに飛来した梅|天神信仰と和歌が生んだ神木の記憶

【飛梅伝説】天神と共に飛来した梅──菅原道真と記憶の木霊1. はじめに──神木としての梅太宰府天満宮の境内、御本殿の正面左近に植えられた一本の白梅。それが「飛梅(とびうめ)」と呼ばれる神木である。樹齢千年とも伝えられるこの木は、単なる古木で...
哲学的偏見

【知覚の扉】オルダス・ハクスリーの幻視体験と「ありのままの宇宙」への扉

【知覚の扉】オルダス・ハクスリーが見た“ありのままの宇宙”とは何か「ドアーズ」のバンド名の由来でもあるオルダス・ハクスリーの『知覚の扉』。本書は単なる薬物体験の記録ではない。むしろ哲学・芸術・神秘思想を横断する〈意識の冒険〉であり、20世紀...