2025-05

詩煩悩

シェイクスピア『あらし(テンペスト)』あらすじと感想|魔法と赦しの島の物語

【シェイクスピア『あらし』】魔法と赦しの物語〜無人島に広がる幻想世界シェイクスピア晩年の作品とされる『あらし(テンペスト)』は、魔法と幻想に満ちた無人島を舞台に、裏切り、復讐、そして赦しへと至るドラマが展開される異色の戯曲です。追放されたミ...
疑似学術地帯

ツタンカーメンの墓と黄金マスクに秘められた宗教的意味

ツタンカーメンの墓と黄金のマスクに秘められた古代エジプトの宗教的意味古代エジプト第18王朝の少年王、ツタンカーメンの墓(KV62)は、発見当時ほぼ手付かずで残されていたことで世界中を驚かせました。その墓から発見された黄金のマスクは特に有名で...
哲学的偏見

アウグスティヌス『告白』下巻レビュー|記憶と時間の神秘を探る

アウグスティヌス『告白』下巻レビュー|「記憶」と「時間」に挑んだ神学的哲学書古代キリスト教の教父アウグスティヌスが記した『告白』。その下巻は、上巻のような赤裸々な回想録とは趣を異にし、より哲学的・神学的な内容に傾いていきます。下巻の全体像|...
哲学的偏見

アウグスティヌス『告白』上巻レビュー|罪と回心の哲学的自伝

アウグスティヌス『告白』上巻(岩波文庫)レビュー|聖人の赤裸々な罪の告白と哲学的自伝作品概要と読みどころアウグスティヌス(354–430年)は古代キリスト教を代表する教父にして、後世に多大な影響を与えた哲学者・神学者です。『告白』(上巻)で...
疑似学術地帯

 『悪行要論』とは何か?中世悪魔学の古典を現代から読む

フランチェスコ・マリア・グアッツォ『悪行要論』:中世悪魔学の古典と現代への問い1. 書籍の概要**図1: 1608年にミラノで刊行された初版『悪行要論(Compendium Maleficarum)』のタイトルページ。**グアッツォの『悪行...
疑似学術地帯

プトレマイオス『地理学』とは?古代地図が変えた世界観

クラウディオス・プトレマイオスの『地理学』:古代アレクサンドリアの叡智とルネサンスへの影響今から約1800年前、古代ローマ帝国時代に作られた世界地図帳が、長い間忘れ去られた後、ルネサンス期にヨーロッパで復活し、地理学の世界に革命をもたらしま...
哲学的偏見

【マルクス・アウレーリウス『自省録』】皇帝が語る内省と哲学

マルクス・アウレーリウス【自省録】〜自分自身に問いかける哲人皇帝の言葉気高きローマ皇帝ローマ帝国第16代皇帝マルクス・アウレーリウス(在位161〜180年)は、強大な権力を握りながらも、暴君とはほど遠い生き方を選んだ。戦争と政務に忙殺されな...
評論詐欺

【自分自身とは何か】自己嫌悪とナルシズムを哲学と文学で読み解く

【自分自身】とは何か〜自己嫌悪とナルシズムの心理メカニズム古代ギリシャ・デルポイのアポロン神殿には、有名な神託の言葉が刻まれていた――「汝自身を知れ」。この神託は、哲人ソクラテスにも向けられたものである。神は彼を「ソクラテスより賢い者はいな...
哲学的偏見

 【魔訶止観レビュー】天台智顗が説く“止観”と心の宇宙を読む

【魔訶止観レビュー】天台智顗が開示した“心の宇宙”を読む|止まり、観る、その哲理と実践一瞬の心に、世界がある──そんな壮大なヴィジョンが展開されるのが、隋代・天台大師智顗(ちぎ)の大作『魔訶止観』である。仏教における“止”とは心を静めること...
小説の闘牛場

【マンク】〜修道僧が悪魔と契約・少女を陵辱〜M・G・ルイス作ゴシック小説紹介(3)

眠り薬で監禁された乙女を、地下墓地の暗闇内で犯し続ける修道僧についに破滅の魔の手が迫っていた。アンブロシオは死刑から逃れるためについに悪魔を呼び出し、契約書にサインする。シリーズ3回目。●1回目、2回目はこちら→【マンク】修道僧が悪魔と契約...