2025-04

【リア王感想】シェイクスピア悲劇の極致〜愛も正義も報われない物語

リア王とは『リア王』はシェイクスピア四大悲劇の中でも、最も救いがなく、壮絶な結末を迎える作品です。涙を誘う感動というよりも、あまりに過酷で残酷な展開が続き、「正義」も「悪」も最後には破滅していく——そんな凄まじい物語です。3人の娘と王の誤算...

【オセロー感想】嫉妬と愛の炎に焼かれて―シェイクスピア悲劇の真髄

作品概要シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『オセロー』には、魔女も幽霊も出てきません。けれど代わりに、悪魔のように狡猾な人間が登場し、地獄の妄想に育てられたような激情が物語を支配します。悲劇か喜劇か、という分け方は結末がハッピーかどうかで語ら...
小説

アーサー・ゴードン・ピムの物語(後編)──死体、幻覚、そして白き神の出現

*前回【エドガー・アラン・ポー】「アーサー・ゴードン・ピムの物語」徹底解説|漂流・反乱・人肉・幻の南極までの続き;幽霊船さて死体変装の効果は抜群であった。腰を抜かす者、そのままショックで死ぬ者。わずかばかりの抵抗にあったが彼らは一命を除き全...
小説

狂気と心臓の鼓動|ポー「告げ口心臓」レビューと考察【The Tell-Tale Heart】

告白という形『告げ口心臓(The Tell-Tale Heart)』は、エドガー・アラン・ポーが得意とした狂気の短編スリラー。その凄みは、映像も音響も一切使わず、「文字による独白」だけで読者を恐怖の渦に引きずり込む点にある。「神経がね、恐ろ...
小説

【エドガー・アラン・ポー】「アーサー・ゴードン・ピムの物語」徹底解説|漂流・反乱・人肉・幻の南極まで

「アーサー・ゴードン・ピムの物語」とはエドガー・アラン・ポーの『ナンタケット島出身アーサー・ゴードン・ピムの物語』は、数多くの短編で知られるポーにあって、ほとんど唯一といえる長編小説である。300ページ近くの分量がありながら、冗長さを感じさ...
文明

 「ストーンヘンジとは何か?芸術と聖性をめぐる“最古の建築”の謎」

巨石はなぜ立つのか?ストーンヘンジという“原始アート”の謎イギリス南部・ソールズベリの草原に、突如として現れる石の輪。それがストーンヘンジである。誰が、なぜ、どうやって作ったのか――今なお多くの謎を秘めたまま、沈黙を守っている。夏至の日、東...
文明

【入門】古代エジプト神話の神々たち|ツタンカーメンの名に込められた秘密

古代エジプト神話に登場する神々を、初心者向けにざっくり紹介します。ファラオの黄金マスクや死者の書に秘められた“神の名前たち”——意味がわかると、あの謎めいた象形文字がグッと身近になる。◆ツタンカーメンの名前の秘密あの有名な黄金のマスクの主、...
日常

【麺屋奏の豚そば】宮城・大崎の二郎インスパイアで満腹必至の一杯レビュー

※この記事は2017年12月4日に初回公開されたものを、現在の状況に即して一部加筆・再編集したものです。 上の画像は、筆者が今日のお昼に食した麺屋奏「豚そば」そのままの姿である。この上ない満足感に浸りながら、消化する間も惜しんでこうしてキー...
音楽

グレゴリオ聖歌と“血の部屋”―魂の記憶に響く祈りの音楽』

グレゴリオ聖歌とは何か ― 癒しと祈りの原風景グレゴリオ聖歌とは、西洋中世のカトリック教会で生まれた伝統的な宗教音楽である。楽器の伴奏はなく、男性の聖職者による斉唱(単旋律)で構成されており、その透明で荘厳な響きは、聴く者の魂を静かに揺さぶ...
文明

【チャビン・デ・ワンタル】アンデスの地下迷宮に潜む神々と石のトリック

南米ペルーの標高3200メートル。アンデス山中に、ひっそりと眠る古代遺跡「チャビン・デ・ワンタル」がある。紀元前1000年頃、チャビン文明の宗教センターとして繁栄し、今もなお謎多き神殿建築と神々の姿を残す、まさに“アンデスの地下迷宮”だ。こ...