2020-12

疑似学術地帯

源信『往生要集』レビュー|六道の地獄絵から念仏瞑想まで──仏教救済の書を読む

【往生要集】源信(岩波文庫)レビュー〜六道から瞑想法まで、魂を救う仏典集成概要源信(恵心僧都)は、平安時代中期の天台宗僧侶であり、比叡山延暦寺に属していた。その著作『往生要集』は、仏教受容の成熟期、すなわち聖徳太子と鎌倉新仏教の間、そして空...
疑似学術地帯

【いろは歌】和歌に込められた仏教の教え|諸行無常と雪山童子の物語

はじめに「いろは歌」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。現代においては、単なる五十音の並び、いわば日本版アルファベットのように捉えられることが多い。しかし、その一見単純な歌には、実は深い仏教的意味が込められていることをご存じだろうか...
疑似学術地帯

『日本霊異記』レビュー|景戒が描いた因果応報の仏教説話集(講談社学術文庫)

【日本国現報善悪霊異記】『日本霊異記』(講談社学術文庫)紹介〜因果応報の説話集、その精神的ルーツを辿る概要『日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんぽうぜんあくりょういき)』、通称『日本霊異記』は、奈良時代の天台宗僧侶・景戒(きょうかい)によっ...
疑似学術地帯

聖徳太子『法華義疏』とは何か?飛鳥仏教思想の核心に迫る注釈書の真価

【法華義疏】聖徳太子による『法華経』注釈──飛鳥仏教思想の原点をたずねて概要本稿では、聖徳太子(厩戸皇子)による『法華経』注釈書、『法華義疏(ほっけぎしょ)』を取り上げる。参照したテキストは岩波文庫版(上・下巻)であり、それぞれ約370ペー...
プラ保存箱

岩出山駅前ラーメンと内川さんぽ|歴史と自然と味に出会う癒やしの半日旅

【岩出山・内川さんぽとラーメン】駅前で味わう極旨2選|有備館と学問の道を歩いて宮城県大崎市、旧岩出山町。かつて伊達政宗が居城を構えたこの地には、静かで風情ある散策路と、地元民に愛されるラーメンの名店が並びます。内川沿いを歩きながら歴史と自然...
疑似学術地帯

 『法華経』岩波文庫版を読む|日本人の宗教観・倫理観の根源をなす大乗経典

【法華経】岩波文庫(上中下三冊組)レビュー― 日本的善悪観の根源をなす経典の読解 ―概説:仏教受容の基盤としての『法華経』『法華経』(正式名称『妙法蓮華経』)は、大乗仏教を代表する経典の一つであり、仏教が東アジア諸国に広まる際、特に日本にお...