詩 【万葉集】柿本人麻呂・和歌〜ひむがしの 野にかげろひの 立つ見えて〜レビュー 和歌高校の頃誰でも習う、脳天の奥底に記憶させられ焼き付いているこの和歌、東(ひむがし)の 野にかげろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬは『万葉集』に納められている。全訳古語辞典などで”ひむがしの”で引くと和歌の項目で出てくる。一... 2020.10.30 詩
詩 【清少納言枕草子】岩波文庫レビューシリーズ「第九段」うへにさぶらふ御猫は、〜 シリーズ第2回目。今回は動物愛護団体から苦情が来そうな、当時の宮人のサディステイックな性格を垣間見る驚きの内容。これをワイルドととるか、野卑ととるかは私たちに委ねられている。御猫陛下の可愛がっている猫”命婦のおとど”がある時、日向で行儀悪く... 2020.10.29 詩
詩 【清少納言枕草子】岩波文庫レビューシリーズ「第八段」大進生昌が家に、〜 恐れ多くも最近ハマりつつある古典しかも超大御所『枕草子』をレビューする企画第一回目。学者のみか多くの小説漫画などに取り沙汰され、今さら筆者などの出る幕では一切ないが、自らの嗜好には勝てず。無謀にも試みる。(なお筆者は素人であるので解釈の間違... 2020.10.28 詩
小説 【夏目漱石】『吾輩は猫である』感想・レビュー|無常観とユーモアの知的な共存 1. 作品概要|作家になろうとしなかった天才あらためて夏目漱石を読み返すと、その作品の深さと洒脱さに驚かされる。以前「漱石は偉くなろうとしなかった唯一の作家」と自分でも書いたことがあるが、その印象はいまだに揺るがない。たとえば、弟子の芥川龍... 2020.10.27 小説
小説 【芥川龍之介】『羅生門・鼻・芋粥』感想文〜感想のみ、大人向け 『羅生門』今日本文学を見直しているところだ。その一貫で芥川をもという訳なのであるが、どうだろう、上記の3代表作の出来栄えは。まず『羅生門』。教科書に載っていて高校の頃作家の描く不気味な”夜”そして盗賊の持つ”悪”に背筋を震わせたものである。... 2020.10.25 小説
小説 【芥川龍之介】『偸盗』感想・レビュー〜迫真、大正時代のアクション小説 概要見出しに”アクション小説”と書いたが、これは私の率直な感じ方であり、この作品の一番”芥川ってすごいな”と思った部分である。解説や学者様の評論は放っておこう。読んで感じたままを書く、それが本ブログの流儀だから。概して平安時代の文献を出典と... 2020.10.21 小説
小説 【芥川龍之介】『地獄変』感想・レビュー〜芸術のために我が子を焼き殺す絵師 概要『地獄変』が元にしている「宇治拾遺物語」は鎌倉時代の古典で、芥川がよく材料にする「今昔物語集」は平安時代のもの。どちらも古語辞典なしでは読めないけれども、芥川の短編を読んで興味を持たれたならぜひ原典にもチャレンジしてみたい。芥川の作品は... 2020.10.15 小説
評論 【菅原道真】王丸勇・著〜紹介〜天神を知るために私の入門書となった本 刊行こちらは私が10歳の頃1980年(昭和55年)金剛出版から、福岡の精神医学者の本、その名はズバリ『菅原道真』である。福岡出身者には夢野久作もおり、wikiによれば二人は『ドグラ・マグラ』の創作過程でちょっとした繋がりがあるという。こんな... 2020.10.14 評論
小説 【夏目漱石】『道草』紹介・感想|自伝風読み切りに垣間見える苦悩と素顔 【夏目漱石】『道草』紹介・感想|自伝風読み切りに垣間見える苦悩と素顔あらすじ|書斎から一歩外へ夏目漱石の『道草』は、晩年に完成した自伝的小説である。たとえば『硝子戸の中』が、病弱な身体を抱えた漱石が自室にこもりながら綴った“内向き”な作品だ... 2020.10.06 小説
哲学 【Corpus Hermeticum】Tarl Warwick版・洋書レビューと解説 テキスト以下はkindle版アマゾン・リンク⬇️価格は200円以下、ペーパーバックだと千円くらいのこの本は、ヘルメス文書を読むには実にクォリティの低い仕上がり。一般大衆向けに軽薄な語彙を多様して翻訳された形体は、真剣に学問哲学を探求しようと... 2020.10.04 哲学