天体観測

【天体観測】初めての「天体望遠鏡」を購入〜”ファースト・ライト”記念

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最初の認識

ルネ・デカルト「方法序説」「哲学原理」「精神指導の規則」などから思考を導かれ、筆者はまずこの感覚世界に昼と夜、光と闇があることを認知した。

まず容易に認識され明白な事実から徐々に難しい事物へゆっくりと進めという、デカルトの教えに従い筆者はその後目視により昼と夜の原因である太陽および、その次に明らかに認識される月という天体に目を向けた。

次いで国立天文台サイトより星の特定に向かった。最初に古代人が認識した7つの惑星の特定を試みた。すなわち他の5つの星である水星、金星、火星、木星、土星である。

このうち水星だけはいまだ目視できていない。なぜなら水星は小さいのみならず常に太陽の光に隠されていて、よほどタイミングが合わないと観測できないからだ。

あのコペルニクスでさえ死ぬまで目視できなかったそうであるから、水星はかなり難易度が高いと思われる。

●参考→【ルネ・デカルト】の本〜感想・レビューまとめ

【天体観測】目視できない唯一の7大惑星「水星」

天動説・8つの天界

それから古代人が恒星天と呼んだ第8の天球がある。つまりこの天界はもはや数え切れないほどの星々で埋め尽くされた、最も高い天なのである。

筆者はヘルメス・トリスメギストスのナグ・ハマディ文書にある「第8のものが第9のものを明らかにする」なる古代の秘密の奥義を扱った書物を、京都大学関係者らしい団体が好意で運営しているサイト”Barbaroi!"で読んだ。

7つの惑星の次の天が星座のひしめく恒星天であるとすれば第8のものとはこれを指す。肉眼で感覚できるのはこれまでであり、第9のものは感覚を超えた何かである。

この第9のものを明らかにすべく、筆者は星座を小学生以来だが学び始めた。子供の自由研究と称されるこの星座の観照は、新たなる驚きをもたらした。というのは北緯38度付近の日本の宮城県仙台市で、2018年夏は夜になると

木星、土星、火星、金星などが一列に会していたのに対し、この冬が近づくに連れほとんど火星以外は筆者の見ることができる空から沈んでしまったからだ。反対に南東の方角に”オリオン座”と呼ばれる巨大な星座が昇り出した。

●参考→【ヘルメス文書】ヘルメス・トリスメギストスの著作とされる謎の文書とは

オリオン座と冬の大三角形

調べるとこの星座はもちろんだが古代から認識されており神話に基づいた命名をされている。オリオンのベルトの3つの星、右脇の下のベテルギウス、左足のリゲルなど。これらはかなり明るいのではっきり見える。

そしてベテルギウスから東へシリウス、プロキシオンという途方もなく大きな正三角形に近い形を描く”冬の大三角形”が見られる。筆者はこれらを国立天文台サイトとモールで買った小学生用の星座早見盤で知った。

すなわち”今日のほしぞら”をスマホで見ながら、星座早見盤も見てたくさんあって訳がわからない星の名前を確認する。7つの惑星の時がそうだったように、まずは一番大きくて目立ち一番明るい星から見、それを目印にして他の星の認識へ進む。

ファースト・ライト

だんだん第8天の美しさに魅入られて飽き足らず、筆者は古い天文学の本を図書館から借りた;コペルニクス「天体の回転について」第1巻訳(岩波文庫。これだけで最高に面白い)とガリレオの「星界の報告」(これはガリレオが発明した望遠鏡で見た夜空のスケッチが主である)。ちなみにプラトンの「ティマイオス」とアリストテレスの「自然学」「天体論」「生成消滅論」は前もってすでに読んでいた。

ガリレオの熱狂的な感動に満ち溢れた星界の報告を読みながら、ついに筆者は我慢ができなくなりアマゾンで入門用の天体望遠鏡を購入した。昨日それが届き、最初に星の光に当てる”ファースト・ライト”を行った。

まずは赤々と輝いている火星から見てみようと思ったが、三脚に固定しないとピントも合わせられないし小さな星を丸いレンズの範囲内に捉えられない。そして三脚は子供用で背が低いのでしゃがまないと望遠鏡を覗けないのだった。

庭に出るのは人目を憚ってやめておき、部屋の南面の限られた窓と開放された角度で見るしかなかった。天頂ミラーという直角に曲がった覗き穴がないと上を見るのは辛い。これを取り付けて最初20mm(30倍)の接眼レンズで火星をレンズ内に捉えた。

望遠鏡をしっかり固定したあと8mm(75倍)の接眼レンズに取り替え、光線が歪むので窓ガラスを開けてから火星をじっくり見た。

●参考→【アリストテレス】哲学:ばっさり解説〜天動説と宇宙論

哲学者【プラトン】対話編〜レビュー・解説まとめ

火星の観測

初めて天体望遠鏡で眺めた火星は美女の美しい裸体のようだった。ピントを合わせたので小さいがはっきりと見える;火星は蛸のような赤い光を放ちながら丸いレンズの中を右から左へ”走って”いた。実際は空を東から西へ移動しているのであるから、望遠鏡のレンズでは左右が逆になるのである。

まあこの一瞥だけで価格1万の値打ちはあると感じた。望遠鏡には「星空ガイド」なる付録のパンフレットも付いており、初心者の筆者なんかにはこれの方がお似合いだろう。なにせ宮城県図書館で借りてきたプトレマイオスの「アルマゲスト」や、ユークリッドの「原論」は訳がわからなくてすぐ挫折したくらいだから。

「アルマゲスト」を読んでいかに古代人の知能が優れていたか、いかに自分が馬鹿であるかが痛感された。彼らはただ何となく星を眺めていたのではない。然るべき器具を使用しながら幾何学の計算に基づき、星の運行にある秩序に数値を与え、計算と熱心な観測によってそのことを証明したのだった。

このような幾何学や哲学と密接に結びついた古代の天文学・占星術を理解することができたらどんなに良いだろう。皆さんはそうは思わないだろうか。ちなみに購入した望遠鏡のリンクを貼っておく🔻

●関連記事→【天体観測】肉眼ではじめて見る「木星」

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