シェイクスピア【夏の夜の夢】あらすじ・感想〜恋は盲目、恋は移り気、恋は魔法

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シェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」あるいは「真夏の夜の夢」は、その題名通りうっとりさせるような幻想物語。何よりも読んでいて観客を楽しませるのみならず、書いている作者自身が楽しんでいるかのような余裕が感じられる。

うんちく

舞台背景はアセンズ、主要登場人物はアセンズ大公シーシアス、その婚約者ヒポリタ。英語名でアセンズとはギリシャのアテナ、シーシアスは神話の英雄テーセウス、ヒポリタはヒッポリュテでアマゾン族の女王である。

テーセウスがアリアドネの糸を辿ってダイダロスの迷宮に入り、牛頭のミノタウロスを殺したことは有名。ヒッポリュテはヘラクレス12の難行の9番目の相手で、彼女が付けていた軍神アレスの帯を取ってくるように要求された。

神話は直接には劇に何の関係もない。ただ知っておくとなおさらこの物語の幻想性がアップするまでのこと。

4人の恋敵

さて両者の婚姻の式がとり行われる新月の晩が迫ってきていた。そこへ謁見に参ったイジアス、その娘ハーミア、その婚約者デメトリアス、ハーミアと相思相愛のライサンダー。父親はお気に入りのデメトリアスと約束どおり娘を結婚させたいところ。

しかしハーミアはそれへ嫁ぐくらいならアテネの法律により死刑となっても構わない、と頑として拒否する。訴えられ裁きを求められた王様は、いったんここは引き下がって新月の宵までよく考えよと諭す。

ライサンダーとハーミアは二人で打ち合わせし、明日の晩に森の中で落ち合って一緒に彼のおばさんの家に逃げよう、そこで結婚しようと誓い合った。

ストーカー

ハーミアには仲良しのヘレナがいたが、ヘレナにしてみれば彼女は恋敵であった。というのはヘレナはデメトリアスに恋しており、デメトリアスはハーミアに恋していたからだった。うっかりハーミアは彼女に駆け落ちの計画を喋ってしまう。

ヘレナはデメトリアスを追いかけたい一心で、そのことを彼に告げた;そしてストーカーのように森の中でデメトリアスを追い回すのだった!

ボブゴブリン

そこへ森の妖精の王オーベロンと女王タイターニアの夫婦喧嘩、ボブゴブリンのロビン・グッドフェロー通称”パック”なる小妖精や、「豆の花」「蜘蛛の巣」「蛾」「辛しの種」なる妖精たちまで入り混じる。

またこの森では新月の結婚式で披露するため、町の職人たちが下手くそな芝居の練習をしていた。妖精の不思議な呪いでロバの頭にさせられた機屋のニック・ボトム、目に惚れ薬を塗られて突然ヘレナが好きになってしまったライサンダー。

妖精のいたずらで今まで好きだった人が急に何とも思われなくなったり、どうでもいい人だったのになぜかとびきり魅力的に見え出す。恋の不思議な魔力を見事に面白おかしく描いている。

まとめ

最後にシーシアス一行が森の中に狩に訪れたころ、オーベロンは妖精のかけたあらゆる魔法と呪いを解いた。3組みのカップルが円満に出来上がりそれぞれが新月の晩に式をあげ、全て丸くおさまり大団円となる。

この劇中には式の余興という形で、馬鹿げて笑える職人たちの下手くそ悲劇も入れ子で仕込んである。読み終わるとすべては暑い真夏の夜の夢だったかのような、不思議に幸せな気分になる。でも恋や青春の若さというものは、いつもそのようなものだったのではないだろうか?

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