シェイクスピア【ヴェニスの商人】感想・あらすじ〜借金の抵当は”1ポンドの肉”

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”結婚”というテーマ

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」は有名なコメディ。読者あるいは観客は悲惨な物語には悲しみ、楽しい物語には喜ぶ。ドン底に悲惨な最後の「リア王」、バタバタと人が死ぬラストの「ハムレット」などは”悲劇”に分類される。

喜劇はハッピーエンドになるのが定番。そして人々の心を楽しませるネタは、”恋と結婚”である。この劇でもカップルが複数組誕生する。バサーニオーとポーシャ、その友達とポーシャの侍女ネスカ、ユダヤ人の娘ジェシカとロレンゾ。

モーツァルトにも「フィガロの結婚」というオペラがある。”結婚”は究極の幸福の象徴であり喜劇要素、反対に悲劇要素の究極の不幸とは”死刑”である。

正義の証文

有名な”1ポンドの肉”の話も出てくる。1ポンドは約450グラムなのでけっこうな量がある。ハードロック・カフェでは”1 Pound Steak"なるメニューも出ている。

1 ポンド・ステーキ/Hard Rock cafe(参考画像)

友情に厚いアントーニオーはバサーニオーがポーシャに求婚するための資金を工面する。彼の船は今全部西インド諸島などに貿易に出ていて不在、なので不承不承ユダヤ人のシャイロックにその金を借りる。

ユダヤ人は金の亡者として描かれており、がめついこの男は日頃の腹いせにアントーニオーの”体の肉1ポンド”を切り取らせる条件で金を貸した。というのはいつもアントーニオーは汚い商売が気に食わず、このユダヤ人をいじめていたからだ。

ブラッド・ピットの映画「セブン」では強欲の罪として腹の肉を切り取られた被害者がいたが、この劇では切り取られるのは心臓の真下である。証文にそう明記してあるからだ。つまりもし金を返せなかったらシャイロックはアントーニオーを殺す気なのである。

貿易王の破産

運悪くアントーニオーの船はすべて沈没し、彼は裁判にかけられる。果たして肉1ポンドが切り取られるべきか、それとも天の慈悲が金の代用によって処刑を止まらすか。金はポーシャが3倍払うので許してやってくれと言っていた。

ユダヤ人はあくまでアントーニオーを殺したく、頑として聞かない。証文にそう書いてある。正義を行ってくれの一点張り。そこにポーシャが法律博士に変装して登場し、「肉を切り取るが良い。しかし血は一滴も流すな」と言い渡す。

証文には血のことは何も書いてないからだ。さらに切り取った肉を計って1ミリでも多かったら財産を没収するとも。シャイロックは結局キリスト教徒の命に危険を及ぼした角で罰せられる。金の件はめでたしめでたし、である。

3つの箱選び

ポーシャが求婚者に課している”3個の箱選び”も登場する。金の箱、銀の箱、鉛の箱。その中のどれかに姫の絵姿が入っている。もちろん答えは鉛の箱である。物の外見にとらわれて見かけで選んだ人はハズレくじを引き、誓約の通りに一生独身を守らされるのだった。

バサーニオーは見事鉛の箱を選んで姫の心と身体を勝ち取った。この姫はヴェニス一の美人で家柄も最高だった。借金まみれの遊び人バサーニオーもこれで幸福になった。金も美人の奥さんも手に入ったのだし。まさに喜劇、ハッピーエンドの話ではないか。

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