ウィリアム・ブレイク「地獄の箴言」より〜狐とライオンの譬え

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地獄の箴言とは

PROVERBS  OF HELL(地獄の箴言)とはウィリアム・ブレイク(1757−1827、イギリス)の作品「天国と地獄の結婚」の中の4枚のプレートに渡る章で、ソロモンの箴言風の詩が多く記されている。箴言とはいえ謎解きの要素が強くただ読んでも理解できない。そこに隠された意味を考えなければチンプンカンプンである。その中からいくつかを選んで解釈を試みてみよう。

狐とライオンの喩え

"The fox provides for himself,but God provides for the lion."

「狐は自分自身のために準備する、しかし神はライオンのために準備する。」

ライオンといえば百獣の王様、自然界に君臨し何も恐れず自由に闊歩する美しくて強い肉食獣である。狐は人間社会の喩えであろうか。皆誰でも自分自身のために手を替え品を替え用意周到準備する。人生とは長くて短いロールプレイングゲームなのだから。生命保険、年金、貯蓄、ローン、車、家、家族、明日のこと、将来のことを考え、今日の食事のこと、今晩寝る場所のことー自分で自分のために準備するのは当たり前である。そうしないのは何か不都合があってできないからか、その能力がないからとしか考えられない。だがもしライオンならそのような心配は一切無用、全て神が準備するというのである。 

人生の心配事は狐

この箴言から学んで自分自身の心配をやめてみるか。ぜんぶうっちゃって放り投げてみよう。あきらめよう、小手先の芸なんか何やっても無駄みたく。狐ではなくライオンとして生きることができるように。神は信じる者のために準備する。小賢しい生き残りの知恵は、第一原因である神と強大な天体の運動からもたらされる運命の前では役に立たない。ブレイクはキリスト教を信仰していた。本のなかで言う神とはキリスト教で説かれている存在、万物の造物主ヤーヴェと考えられる。

狐と罠の喩え

"The fox condemns the trap,not himself."

「狐は罠を責める、狐自身ではなく」

もう一つ箴言を紹介しよう。こちらも狐が出てくるがもっと分かりやすい。喩えばこうだ、朝サラリーマンが満員の地下鉄に乗っていると突然の腹痛に襲われる。だが不幸にも下車駅までとても耐えられず彼はパンツに漏らしてしまう。サラリーマンは日本の地下鉄と満員電車を責め呪う。そして昨夜ラーメン二郎でニンニク野菜マシマシ大豚を喰った自分を責めはしないのである。

◯ウィリアム・ブレイク関連記事はこちら→ウィリアムブレイクの詩とザ・ドアーズについてウィリアム・ブレイク【天国と地獄の結婚」】「知覚の扉」プレート版画について

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