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【レヴェナント:蘇りし者】レビュー〜評価・感想とあらすじ

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紹介

こちらは2015年公開のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥという「バベル」で知られる長い名前の監督の映画である。ゴールデングローブ賞をはじめとした数々の受賞記録がある名画である。監督には最近だと「バードマンあるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」など洗練された芸術的な作品が目立つ。またレオナルド・ディカプリオは念願のアカデミー賞主演男優賞に輝いており、「マッドマックス・怒りのデス・ロード」のトム・ハーディーがタフな悪役として出ている。

面白さを5段階で言うならば、個人的に☆☆☆☆☆の映画。一気観タイプの作品である。

あらすじ 

この映画は原作が伝記ということもあって実話を元にしている。世界観はエドガー・アラン・ポー「ジューリアス・ロドマンの日記」に出てくるような山岳地帯の開拓物語で、毛皮を集めに来たアメリカの一行が原住民に襲われるシーンから始まる。出鼻から血なまぐさい戦闘が繰り広げられるが、「ギャング・オブ・ニューヨーク」みたいに吐き気がするくらいクドくはなく程を得ている。

道案内人のグラス(レオナルド・ディカプリオ)はとある野営地で見張中突然グリズリーに襲われる。とんでもない怪力のメス熊である。

映画の中の熊のシーンはRPGゲームに登場するモンスターばりの恐ろしさで、笑ってはいけないと思いつつも笑ってしまうであろう。重傷を負いつつもグラスはグリズリーを仕留める。

だが身動きもできない程ダメージを受けグラスは一行の荷物になる。ある山の急斜面でついにグラスをこれ以上運べないという結論が出る。最後を看取る役として彼の原住民との混血の息子ホーク、若者ブリジャー、そしてトム・ハーディー扮するフィッツジェラルドの3人が選ばれる。だがトム・ハーディーは鼻からディカプリオをきちんと埋葬などする気は無く、手間の300ドルが目当てだった。

彼の息子を目の前で殺し、ブリジャーを欺き動けないグラスを墓穴に生き埋めにして立ち去った。

 見どころ

これは息子だけが生きがいの男が墓穴と重傷から立ち上がり、傷だらけの身体で復讐する話である。こう聞くと野蛮なだけのようだが自然の荒々しさや、家族の愛といったものが暴力とともに描かれている。実際監督自身男の子を亡くしており、映画は息子へのレクイエムとも取れる。

映像全体的に黄昏色で染められた暗鬱だが清浄な大自然の中で物語は進行する。その映像美を鑑賞するたび映画館で観るべきであった、と悔やまれる。

この作品にはアクション映画特有のチャラチャラしたBGMはない。河の荒々しい流れや、吹きすさぶ暴風、降りしきる雨の音などがそれに代わる。また静寂というものの与える、衝撃的効果も感じられることだろう。

人の「呼吸」もこの映画の鍵だ。「息をしろ」と主人公は息子に教える。かつてグラスは家族を襲われ、妻を殺された。幼い息子は死にかけた。回想の中で子供を抱きかかえ、「最後まで息をしろ、生きるのだ」と話しかける。息をすることは、生きていることの最初で最後の明しなのだ。

映画はディカプリオの呼吸の音とともに終わる。

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