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【スターウォーズ】エピソード3「シスの復讐」〜師オビ・ワン・ケノービの怒りと悲しみ

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ジョージ・ルーカスが創造したスペース・オペラ『スター・ウォーズ』映画の魅力やあらすじ・感想など各エピソード順を追って辿っていくシリーズ3回目。エピソード1、2、3は新3部作で1999年より公開がスタートした。

あらすじ

エピソード2では仲が悪かった師弟の上下関係も、このエピソード3ではアナキン優勢といった感じで落ち着いている。あたかも弟子の才能に感服しているかのようなオビワン・ケノービは、少し皺のある熟年メイクでいたずらに生意気なアナキンを叱ることもあまりない。

それでも冒頭の戦闘シーンでは言うことを聞かないアナキンを窘めはするが、最後にはその無軌道ぶりに救われる。共和国の最大権力者パルパティーン最高議長をさらったドゥークー伯爵とドロイドのグリーバス将軍を追い詰め、敵の戦艦にいきなり突入。グリーバスは尻尾を巻いて逃げるが、アナキンはドゥークーを殺し腕を切り落とされた恨みを見事果たす。

首都コルサントに戻ると政治家たちの祝福がアナキンを待っていたが、誰よりも内密に結婚したパドメ前ナブー女王との再会を喜ぶ。さらにアナキンの子供が彼女の胎内に宿っていることを知らされ、アナキンは幸福の絶頂を迎えた。

今時のデザイナーズ・マンションみたいな部屋に秘密の夫婦は住んでいた。久しぶりの熱い夜を過ごしたが、アナキンは嫌な夢にうなされる。美しい妻パドメが出産で死ぬ夢だった。それはあたかも母親がタスケン・レイダーに捕まって殺された時の予知夢であった。以後アナキンの胸にあらぬ妄想と愛する者を失うことへの恐怖が抜きがたく住み着くことになる。

裏切り

最高議長パルパティーンは相も変わらずアナキンをおだてて、虚栄心と傲慢を育ててきた。マスター・ヨーダの仕切っているジェダイ評議会に主席として迎えるように推薦されたが、評議会は懐疑的にアナキンを退ける。それを不服としてアナキンの心にパドメの死に対する恐怖のみならず、ジェダイへの憎しみまでが芽生えてしまう。

もうダークサイドに落ちるだけとなったアナキン。師のオビワン・ケノービがグリーバス将軍を追跡するために外惑星へ飛ぶ。各ジェダイ・マスターたちも戦いに参戦に飛ぶが、アナキンだけマスター・ウィンドウの命令でコルサントに取り残される。

虚無や退屈は妄想を生み、停滞した時間と空間は死を惹きつけるものだ。ただ一人留守番させられたアナキンはパドメの死に様を空想する。まるで幸せの絶頂の中でその終わりを自ら想像して地獄を見るように。ミルトン「失楽園」で堕天使サタンは次のように言う:

「心というものはそれ自体独自の世界なのだ。地獄を天国に変え、天国を地獄に変えうるものなのだ」「ああ!地獄だ!!どこへ行こうと俺の心には地獄がある!」

●ミルトン「失楽園」はこちら→ジョン・ミルトン【失楽園】レビュー〜サタンの失墜と人間が楽園に戻るまで(1)

エディプス・コンプレックス

すでにパルパティーンの教育によってダークサイドに引き摺り込まれそうになっていたアナキンは、ついに彼その人がシスの暗黒卿であることを知る。マスター・ウィンドウは部下を連れてパルパティーン逮捕に踏み切るが、ダークサイドがパドメを救えると騙されていたアナキンはマスター・ウィンドウを殺してしまう。

後戻りはできなくなった。ジェダイを裏切り、ダークサイドに落ちたアナキンは寺院の子供たちを皆殺しにし、溶岩の星ムスタファーへと飛んだ。その星の雑魚どもをアナキンが全滅させている間、シスによってオーダー66というアホみたいな命令で各地のジェダイが抹殺される。クローン兵が寝返ったのである。

ダース・ベイダーという名はシスが与えたものだが、「暗黒の父」の意味がある。監督ジョージ・ルーカスはよっぽどオエディプス・コンプレックスが激しかったのだろうか。父親を憎んで母親を愛するという心理を指すこのコンプレックスは、ドアーズの「ジ・エンド」の歌詞にも見られる通り。

The killer woke b4 dawn, and puts his boots on....

殺し屋は夜明け前に起き、彼のブーツを履く....

そして父親の部屋へ行き「俺はあんたを殺したい」と言った後、母親の部屋へ行き「あんたが欲しい」と言う。

●ザ・ドアーズについてはこちら→ウィリアムブレイクの詩とザ・ドアーズについて

師弟対決

オビワンとマスター・ヨーダだけが陰謀から逃れた。二人は合流しどこに身を隠すか相談する。オビワンは警備記録からアナキンがシス側に寝返ったことを知り、アナキンの居場所をパドメに問いただす。パドメがムスタファー星へ向かう船に忍び込み、オビワンは変わり果てた弟子に対峙する。

不幸にもパドメはアナキンの疑惑によって首を締められて気を失う。もはや慈悲は無用となり、師弟はライト・セーバーを闘わす。一方は正義のために、一方は憎しみのために。

ダース・ベーダー誕生

いかにフォースが強くても傲慢な悪の力はオビワンに敗れる。アナキンは両脚、片腕をもぎ取られ、さらに溶岩の熱い火に焼かれ13日の金曜日のジェイソンみたいになってしまった。パドメは双子のルークとレイアを産んで死に、オビワンはルークを父のかつての故郷タトゥイーンへ連れて行く。

ヨーダの追跡も甲斐なくシスは逃げおおせた。ジェダイの統治は滅び専制主義の宇宙帝国が誕生した。アナキンはロボット治療を受け黒いマスクとスーツで身体を保護された。そして暗黒のフォースはもはや手がつけられないほど強力になっていた。

まとめ

ダース・ベーダー誕生が主軸となっている作品であるため、かなり話の展開が急すぎる。それでも面白がって観てしまうのはスター・ウォーズのファンの弱いところだ。劇場公開時は鑑賞したあとすぐ「新たなる希望」が観たくなったものである。だが現在では直結するストーリーとして「ローグ・ワン」がある。

タイトルの「シスの復讐」であるが、旧3部作のエピソード6に似ている。エピソード6はリアルタイムでは「ジェダイの復讐」という邦題だったが、善の使者ジェダイが復讐するというのは無理な設定であるためか、「ジェダイの帰還」"Return of the Jedi"に改変させられたのだった。<動画視聴サイトリンク>⤵

●「ローグ・ワン」はこちら→【ローグ・ワン】スターウォーズ・ストーリー〜あらすじ・レビュー

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