文明

【ツタンカーメンの墓】黄金のマスク〜王のミイラを守り続けた20世紀最大の宝物

更新日:

エジプト文明の魔術

今から3300年以上も昔、エジプトの王ファラオのツタンカーメンが18才で亡くなった。エジプト死者の書の研究で有名なE.A.ウォリス・バッジ博士の本では、英語でTut-Ankh-Amenと表記される。名前は三つのエジプト文字の合成で、それぞれ神の名もしくは生命のアイテムと思われる。

ピラミッドやスフィンクス、巨大な彫像や壁画で知られるエジプト文明においては、死者をミイラにして保存したり、呪文が書かれた棺桶や墓に埋葬したりしていた。

ピラミッドの壁

壁画は文字であり壁に描かれた書物とも言える。エジプト象形文字は同じ記号や絵がたびたび現れるので、学者でなくとも「あ、これ言語なのかも」くらいにはわかる。知らない人はおられないだろうピラミッドなる建造物も、内部の室には文字がびっしり書かれていて建物自体が一個の魔術であるかのようだ。

王の玄室と壁画

ピラミッド頂点にはキャップストーンと呼ばれる大きな石が置かれており、これにも文字が刻まれている。またキャップストーンは秘密結社フリーメーソンのシンボルとしても知られ、アメリカの1ドル紙幣の絵になっているのでご覧になるのも良いだろう。

ピラミッドのキャップストーン

古代エジプト人は生きている時間を全て死後のために使っていたかのようである。現代の学生が将来の職業を考えて学問を選ぶように、エジプト人にとっての未来とは来世を指していたのだろう。

◯王の名前の意味についてはこちらへどうぞ→【古代エジプトの神々の名前まとめ】これだけ知ってれば十分〜主なところを紹介 

◯古代エジプト用語まとめはこちら→【古代エジプト神々・魔術用語集】ホルス・アヌビス・バーetc

ツタンカーメン王の棺と副葬品

ツタンカーメンの墓が王家の谷で発掘されたのは1922年ハワード・カーター(『ツタンカーメン発掘記』1923年参照)によってであった。墓の内部は幾つかの室に分かれ、様々な美しい宝が色褪せることなく保存されていたのである。

ツタンカーメン王の墓発見の様子

副葬品としては冥界で敵を打ち破るための戦車や、王の身体をミイラ化する際に取り出した内臓を納めたカノプス容器、かの世界への旅路で王の足元を守るであろう黄金のサンダルーなど豪奢を極めている。カノプス容器は立方体の四隅に彫られたホルスの4人の息子によって大切に保護されている。王の内臓=生前の思い出とは取れはしまいか。

王の内臓を守るカノプスの壺

ツタンカーメンのミイラは古代エジプト人の保存技術が優れていたとはいえ、生身の人体であるから永い月日の間に枯れ枝のように朽ちていた。10代だった王の若々しさはもうない。

王のミイラ(右)と復元された顔(左)

王の体を人の型をした棺桶が三つ保護しているのだが、最初の棺とその次は木製、第三の棺は純金製である。そして有名な黄金のマスクは遺体に直に被せられていた。三重の人型棺はさらに石棺に納められ、その外側を四重の入れ子状の棺が覆い玄室に置かれている。なんという手厚い埋葬であろうか。

黄金の棺

目覚めた黄金のマスク

包帯で大切に巻かれた遺体は黄金の身体を宿した蛹のような物であり、ミイラを覆う棺桶は魂の変移”transmutation”を現していはしまいか。

そしてファラオは3300年以上も護符のように両腕を胸に組んで、見開かれた輝く眼で何かを見つめている。

流れ去り変化する時を超えたそのものこそプラトンの言う「真実在」、ヘルメス・トリスメギストスの教える「覚知」である。

◯プラトンの記事についてはこちらもどうぞ→【プラトン】「パイドンー魂の不死について」要約〜死刑執行直前の対話

◯ヘルメス・トリスメギストスについてはこちら→【ヘルメス文書】ヘルメス・トリスメギストスの著作とされる謎の文書とは

スポンサーリンク

-文明

Copyright© xアタノールx , 2018 All Rights Reserved.